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「百貨店」って何?種類や歴史、日本のまちに与えた影響を解説!

あなたは「百貨店」にどのようなイメージがあるでしょうか?

百貨店の登場によって「小売革命」が起こり、
その存在は日本のまちに大きな影響を与えました。

百貨店のことを知ることによって、日本の小売や流通、販売についてよく理解できるようになります。

ちゃぼけん

百貨店は‟デパート”とも呼ばれていますが、
他の小売店舗とどのような違いがあるのか、あなたは知っていますか?

百貨店について詳しく見ていきましょう!

そもそも「百貨店」とは何か?

百貨店にはどんな特徴があるのでしょうか?

百貨店の特徴は、主に以下の3点にまとめられます。

  1. 衣食住にわたるさまざまな商品を豊富に品揃えしている
  2. 仕入れと販売を商品部門別に管理している
  3. きめこまやかで多様なサービスを提供している

ひとつずつ見ていきましょう!

①豊富な品揃え

これは“百貨店”という名前の由来にもなっており、
要するに「何でも揃う」店ということです。

百貨店で販売されているのは、どちらかと言えば、
「食料品」や「日用品」といった、
毎日の暮らしに必要でこまめに買うような商品(最寄り品)よりも、
「衣服」や「雑貨」といった、
いくつかのお店を回ってあれこれ比べながら買うような商品(買回り品
が中心です。

一店舗当たりの取扱商品は、おおよそ40~50万アイテムほどで、
都心の大型百貨店になると数百万アイテムに上るともいわれております。
総合スーパーが3~5万アイテム、
コンビニが3000アイテムほどですから、
いかに多くの商品を扱っているかがわかると思います。

そこに行けば何でもある」ということが百貨店の“最大の強み”なのです!

②部門別の管理

小売業者が規模を拡大しようとすれば、
たくさんの消費者にお店へ来てもらえればいいわけです。

百貨店という小売業態は、衣食住にわたる豊富な品揃えを実現し、
ワンストップ・ショッピング」と呼ばれる利便性、
つまり、一つの店舗で買い物が済むという利便性を提供することによって、
より多くの顧客を遠方からも吸い寄せることを可能にしました。

ここに“小売革命”たるゆえんがあるのです!

といっても、それは簡単なことではありません!

多種多様な商品をきちんと扱えるかどうかという
「商品管理」の問題が生じるからです。

百貨店はこの問題を商品部門別、
つまり呉服なら呉服、洋服なら洋服、家具なら家具といった形で、
商品分類ごとに経営組織を整備することで解決しました。

百貨店は「デパート」とも言いますが、
デパートという呼び名は、「部門別に管理された店」という意味の「デパートメント・ストア(department store)」から来ています。

③多様なサービスの提供

百貨店の接客方法について、
百貨店が顧客と対面し、商品の説明をしたり、買い物の相談に乗ったりしながら販売するという「対面販売」が行われます。

スーパーのように、
顧客が買い物カゴを持ち、自分で商品を入れてレジに持っていくという
「セルフサービス」は行いません

百貨店は、顧客に「外商」という法人・得意客向けの訪問販売なども行っています。

かつては屋上に顧客が無料で遊べる遊園地を設置していた百貨店も少なくなかったのですが、それも一種のサービスとして位置付けられるかもしれません。

百貨店の歴史

では、
このような特徴を備えた百貨店は、いつ、どこで登場したのでしょうか?

一般的には、フランスの「ボン・マルシェ」(1852年)が世界で最初の百貨店と考えられています。

アメリカでは「メーシー」(1858年)、
イギリスでは「ホワイトレー」(1863年)、
ドイツでは「ヴェルトハイム」(1870年)といった百貨店が先駆的なものです。

欧米先進国においては、19世紀の後半に百貨店という新たな小売業態が勃興したことがわかります。

ボン・マルシェ(フランス)

日本においては、
1905年の年明けに(1月2日)、三越が「デパートメントストア宣言」と呼ばれる新聞広告を一般向けに発表しています。

そこには「アメリカにみられるようなデパートを、これからこの日本にこの三越がつくっていきます」と謳われており、
日本における百貨店業の幕開けが高らかに宣言されています。

三越が日本最初の百貨店となることを宣言したわけです。

ボン・マルシェから数えたら50年余り、他の欧米諸国に比べても数十年のタイムラグがあったことになります。

その後、1936年の時点では、日本全国に117店舗もの百貨店が展開していました。

「デパートメントストア宣言」からわずか30年余りで百貨店は急速に発展し、
全国各地に百貨店が広がっていきました。

百貨店の種類

これらの百貨店は、担い手の性格を踏まえて、次の3つの類型に整理することができます。

  1. 大都市呉服系百貨店
  2. 電鉄系百貨店
  3. 地方百貨店

①大都市呉服系百貨店(三越、高島屋、白木屋、松坂屋、松屋、大丸など)

もともと江戸時代に江戸・大坂・京都といった大都市で呉服店を営んでいた店が、
百貨店へと転換していったタイプを指します。

例えば、三越のルーツは、
三井高利が1673年に江戸で開業した「越後屋」という呉服店にあります。

1867年に江戸幕府が倒れて、「文明開化」の時代を迎えると、
維新の混乱の中で業績が悪化し、「これからは西洋化が進んで呉服なんて売れなくなる」と考えた三井家は、
呉服販売業を家業から分離する決断をし、
金融業を中心に据えて、三井財閥を築いていくことになります。

以後、越後屋は1893年に合名会社「三井呉服店」と改称されていったん三井家の経営に復した後、
1904年に株式会社「三越呉服店」となり、
三井家の直接的な経営から離れて百貨店化を目指すこととなりました。

いくつかの大都市呉服店が、三越の例に倣って百貨店化を進めていくことになります。

②電鉄系百貨店(阪急、大鉄、大軌、京阪、京浜、東横など)

電鉄企業が設立した百貨店を指します。

その元祖は、阪急電鉄(阪神急行電鉄株式会社)が1929年に設立した阪急百貨店です。

阪急百貨店は、
阪急線の大阪梅田駅に、沿線開発の一環として開設され、
鉄道利用者の集客を利用して成功を収めました。

以後、この事例が多くの私鉄会社に模倣され、
百貨店業を兼業することが大手私鉄会社の経営モデルに組み込まれていきます。

京阪電鉄による京阪デパート(1932年開店)、
京浜電鉄による京浜デパート(1933年開店)、
東横電鉄による東横百貨店(1934年開店)、
大阪電気軌道による大軌百貨店(1936年開店)、
大阪鉄道による大鉄百貨店(1937年開店)などが代表例です。

これらはいずれも終着駅(ターミナル駅)に立地することから、「ターミナル・デパート」とも呼ばれていますが、
電鉄系百貨店の成功を受けて、
大都市呉服店系百貨店や地方百貨店のなかにも、
鉄道会社と提携して鉄道ターミナル駅に立地するものが登場しました。

南海鉄道の難波駅にできた高島屋南海店(1932年全館開店)は、そうした例の一つです。
ターミナル・デパートという立地展開は、電鉄系百貨店以外にも広がり、
欧米には見られない日本的な百貨店の立地パターンとして定着していきました。

③地方百貨店(丸井今井、天満屋、福屋、山陽百貨店、山形屋など)

地方都市に地場資本として展開したタイプです。

そうしたなかには、
江戸時代に創業した呉服屋・小間物屋などが百貨店へ転換していったものと、
地元資本家らの共同出資などの形で新たに百貨店として設立されたものという、
大きく二つの系譜があります。

いずれも地域密着型の経営を志向し、
日本の百貨店を地方色豊かなものにしていきました。

先の類型①を「大都市呉服系百貨店」と呼ぶのは、
地方百貨店のなかにも出自から見れば呉服系の店が少なくないためですが、
類型①と③との違いは知名度の違いに現れています。

これら3つの類型に沿って、大まかに百貨店の歴史を概観すると、
1900~10年代には、大都市呉服店を中心として、日本に百貨店が成立することとなり、
1920~30年になると、大都市呉服系百貨店が顧客層を広げて拡大する一方で、
電鉄系百貨店が誕生して広がりをみせるとともに、地方都市はそれぞれ地方百貨店が次々と設立される動きが進んでいくことになりました。

今、減り続けている「百貨店」!

経済産業省の統計によれば、
百貨店の店舗数は、1997年の432店舗をピークに減少の一途をたどり、
2020年には半分以下の201店舗にまで減少しています(「商業販売統計年報」)。

「老舗百貨店が閉店した」というニュースは何度も見聞きしたことがあると思います。

私も地方都市の中心市街地でのまちづくりを経験していましたが、
老舗の百貨店が閉店したのち、
シャッターが閉まったままの建物が何年も、
放置されているという状況を見てきました。

登場から100年以上経ち、かつては急速に全国へ広がっていった百貨店は今、
その数を急激に減らしています。
今や百貨店が県内に一つもない「百貨店空白県」も出てくるようになりました。

その主な原因は、
消費スタイルの変化による百貨店離れ」、
大型スーパーマーケットの台頭」、
インターネットの出現」などが挙げられます。

今の若い人たちの中には、ショッピングモールのほうが馴染みがあり、
今まで一度もデパートに行ったことがないという人も珍しくはないという状況なのです。

百貨店がまちに与える影響とは?

かつては流行の最先端であり、
自ら流行を生み出すというかたちのビジネスを展開してきた百貨店ですが、
その勢いを今は見ることができません。

百貨店の閉店や経営破綻によって大きな影響を受けているのは、地方都市なのです。

各地方都市で、
地方百貨店が倒産したり、大手百貨店が撤退することが相次いでいます。

かつてはまちのシンボル的存在であった百貨店が閉店してしまっては、
そのまちはどんどんと寂れてしまいます

今は、百貨店の跡地利用や今後のまちのあり方を
早急に考えていかなければならない時なのです!

あなたは、自分が住んでいるまちで本当に「やりたいこと」をできていますか?

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