今もなお人気のタワーマンション「通称タワマン」。
全国各地でこのタワマンの建設ラッシュが続いています。
人口減少に頭を悩ませている自治体にとっては、
タワマンはまさに「まちの起爆剤」と考えているようで、
まちにタワマンをつくれば「急激な人口増加が期待できる」と期待し、
タワマン建設を推奨している自治体も多くあります。
このように爆発的人気のタワマンですが、
あなたはタワマンのデメリットは知っているでしょうか?
目次
タワーマンションの7つのデメリット
タワマンのデメリットは主に以下の7つがあります。
- 修繕費用がとても高額
- 多様な居住者層
- コミュニティが希薄
- 住民同士の合意形成が難しい
- 災害に弱い
- 人口バランスが悪くなる
- 景観破壊
①修繕費用がとても高額
タワーマンションは通常のマンションに比べて、
修繕費がとても高額になります。
タワマンが人気と言っても、
その数は普通のマンションに比べて圧倒的に数が少ないです。
そのため、
高層のタワマンに使われている設備は特殊なものが多く、
普通のマンションのものより高価です。
また、修繕する際も特殊な足場を組んだりする必要もあります。
当然、修繕に必要な建築資材もたくさん必要で、
工事期間も長くなるので、その分人件費もかさみます。
近年は建築資材の高騰や
人手不足による人件費の高騰が起きており、
修繕費が当初の想定より大幅に多くなってしまいます。
初期から修繕積立金を高額に設定されているタワマンもありますが、
大規模修繕する際に修繕費が足りなくなり、
追加徴収を行う場合もよくあるので、注意が必要です。
②多様な居住者層
タワマンは部屋数が多く、居住者がたくさんいます。
そして、低層階と高層階で住んでいる人の特徴が大きく異なります。
一般的にタワマンは居住階が高くなるにつれて、
値段がどんどんと高くなっていきます。
低層階は手頃な値段設定としているタワーマンションも、
高層階になるにつれ希少性が増し、
値段は低層階の数倍もするケースというもあります。
これだけ価格帯が異なっていると、
当然住んでいる方の特徴や、
マンションに対する考え方も大きく違ってきます。
そのタワマンに長く住み続けたいと考えている人もいれば、
投資目的でマンションを購入しただけで、実際には居住していない人もいるのです。
③コミュニティが希薄
居住者層がバラバラだったり、実際に居住していない人が居たりするため、
タワマンは一般的なマンションに比べて、
コミュニティが希薄になりがちです。
そうなると、
マンション内で住民同士が孤立してしまったり、
災害時などの不測の事態が発生した時にうまく対処できなくなってしまいます。
私の知っているマンションでは、
ほとんどの部屋が投資対象となっており、半数近くに居住実態がなく、
新築でありながら人気がほとんどないゴーストマンションになっている
ものも存在しています。
④住民同士の合意形成が難しい
修繕費を増額したり、
老朽化したマンションを建て替えたりする場合は、
マンション所有者同士で合意形成を図る必要があります。
しかし、多様な居住者が存在すると、
マンションに対する考え方が根本的に違います。
例えば、大規模修繕や建替えを検討している場合、
このまま居住し続けたい人たちは修繕や建替えに賛成するかもしれませんが、
高齢者や投資目的の人は反対するかもしれません。
そのような人たち同士で合意形成を行うことは容易ではありません。
さらに、投資目的で購入している人の中には、
海外に住んでいる人や、外国人の方も多いため、
連絡を取ることすら簡単なことではないのです。
⑤災害に弱い
タワマンが地震や火災などの災害に遭ったとき、
エレベーターが止まってしまえば、避難することも一苦労です。
タワマンに住んでいるときに、災害が起きると、
どのような状況になるのか、詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
なぜあんなところに住みたいのか…震災被災者が「タワマンには絶対住みたくない」と断言する理由
万が一、
タワマンの被害が小さいもので引き続き居住できたとしても、
エレベーターが復旧するまで階段で居住階まで上り下りする必要があります。
高層階の方にとってみれば、これは悲惨です!
また、地震などの影響で水道が止めってしまうことも、
通常のマンションよりも可能性が格段に高くなります。
タワマンで災害が起きたら、
エレベーターはおろか、水道やトイレ、お風呂なども使えなくなると
考えていたほうがよさそうです。
⑥人口バランスが悪くなる
タワマンが建設されると、
その地域には数千人規模で人口が増えることになります。
そうなれば、小学校の教室が足りなくなります。
応急措置として、学校のグランドに仮設校舎をつくる必要が出てきます。
仮設校舎をつくれば、グランドが狭くなるだけでなく、
子どもたちは夏は暑く、冬は寒いという環境の悪いプレハブで、
年中勉強をしなくてはなりません。
また、保育園や幼稚園も数が足りなくなり、
入園を拒否される事態も起こります。
さらに、周辺の地域の人口が、
タワマンによって吸い取られてしまう可能性もあります。
地域ごとの人口のバランスが悪くなり、
適切な行政サービスなどが受けられなくなる可能性が出てきます。
⑦景観破壊
タワマンのような高層の建物が建つと、
当然ながら周囲の景観に大きな影響を与えます。
山や海などの自然豊かな景観がある場所では、
それらの美しい景色はタワマンによって邪魔されてしまう可能性が十分にあります。
また高層マンションが建つと、
周囲には日が当たりにくくなったりする弊害も起きてしまいます。
タワマン規制を行った神戸市
タワマンの建設を禁止したまちがあります。
それは「神戸市」です。
神戸市は近年人口減少が進んでいますが、
それにもかかわらずタワマン規制を行いました。
いったい、どうしてタワマン規制を行ったのでしょうか?
それは「タワーマンションの建設が持続可能な住宅政策とはいえない」
との考えからです。
神戸市は、市中心部・JR三ノ宮駅近くの22.6haで新たな住宅建設を禁止し、
さらにJR神戸駅にかけての292haの市街地で容積率400%以上の住宅を規制しました。これにより、一般的に20階建て以上とされるタワマンは、
事実上新築できなくなりました。
実はタワマンはつくられた後のことは誰も考えていません。
つまり、
老朽化してしまったタワマンをどう処分していいのかは、誰にもわからないのです。
そもそも老朽化タワマンは、
処分することを決定することもままならない可能性があります。
建替えの合意形成は進まない、解体費も賄えないとなると、
最終的には市が巨額の税金を投入して処分するしかないのです。
神戸市は、「目先の人口増加というメリット」よりも、
「タワマンがもたらすデメリット」の方が明らかに大きいと考えたのでしょう。
人口減少が進んでいるとはいえ、
長い目で見た時にどちらが本当に市民のためになるのか、
熟考した上での判断に違いありません。
タワマンは30年後スラム化する可能性も・・・
「老朽化したタワマンの価格は急落する」と言われています。
多くの人が実際に住んでいない、
大規模修繕ができない、
同意形成がうまくとれない・・・
そうなると、マンションの価値が下がっていき、誰も住まなくなっていくでしょう。
「30年後にはタワマンはスラム化する」と見ている専門家もいるほどです。
タワーマンションは30年後にスラム化で社会問題に発展「国交省幹部」の懸念
タワマンの歴史は浅く、
タワマンができ始めたのはここ20~30年くらいのことです。
そのため、タワマンをめぐる問題は今後噴出してくる可能性があります。
30年後のタワマンがどうなっているのかは、まだ誰にもわかりません・・・
あなたは、自分が住んでいるまちで本当に「やりたいこと」をできていますか?
↓↓↓やりたいことを実現させる具体的な方法は以下↓↓↓
知らないまま購入してしまうと、
30年後に後悔してしまうかもしれませんよ!