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‟空き家”があなたのまちをダメにする!空き家問題とその解決方法を詳しく解説!

近年、空き家で困っている人が急増しており、
いまや空き家は日本全体の問題になっています。

そして、空き家は個人だけの問題ではなく、
地域全体に悪影響を及ぼします。

ちゃぼけん

しかし、解決不可能と諦めてしあってはいけません!

今こそピンチをチャンスに変えるときなのです!

空き家をうまく活用することで、
‟まちのやっかいもの”を
地域の新たな魅力として蘇らせることだってできるのです!

今、空き家をめぐって新たな価値観が芽生えつつあります。
今回は『空家の活用方法』についてご紹介していきます。

空き家問題とは?

あなたが子どもだった頃よりも、
まちなかに空き家が増えていると思いませんか?

近年、日本のいたるところで空き家が増えたり、
商店街がシャッター通り化しています。

今、日本では信じられないくらいものすごい数の空き家があり、
今後もどんどん増え続けていきます!

これは日本の中でとても大きな問題なんです!

空き家はなんと‟1000万戸”もある!

国の調査では、
全国で空き家がなんと…1000万戸を超えると見られています。

令和5年住宅・土地統計調査(総務省)

さらに、空家の数が1万戸を超える市町村は、
2040年時点で今の4倍にもなると予想されています。

空き家シミュレーションマップ

郊外や地方都市をはじめ、全国各地で増えている空き家。
今後はどうなっていくのでしょうか?

多くの地域では今後たった数年間で
5軒に1軒は空き家になるという状況になります。

住宅を新しく買おうしている世帯、いわゆる「住宅取得層(25~54歳)」が
2010年から2020年の10年間で21.6万世帯減っています。
それが今後2020年から2030年の10年間でさらに274万世帯も減少する
と言われています。

あなたが住んでいる地域が空き家だらけになるのも、
そう遠くない未来にやってきます!

このままでは、
あなたのまちがゴーストタウンになってしまうかもしれませんよ!

空き家を管理しつづけるのは大変!

あなたは、実家の将来のことは考えていますか?

今、親から相続した家が‟空き家”になるケース
大量に発生しています。

そして、もし空き家を相続したら、
その日から、空き家を管理していく必要があるのです。

では、空き家を管理するためには、
どのようなことをしないといけないのでしょうか?

主には以下のようなものがあります。

空き家を管理するためにやるべきこと
  • 放置すると家が傷んでしまうため、定期的に換気や掃除をする
  • 固定資産税等の税金を納める
  • 他の相続人と連絡をとり、空き家の処分について検討する
  • 遺品整理を行う
  • 空き地にする場合は、解体費を支払う

このように、空き家を相続したら、
まず遠く離れた場所から空き家のある場所まで通って管理する必要が出てきます。

さらに、誰も住んでいない家なのにもかかわらず、
固定資産税等の税金を納める必要があります。

まさに空き家は所有者にとって‟負”動産となっているのです。

家を処分するための費用を見積もると、
家の大きさにもよりますが、
遺品整理や解体費などで少なくても180~200万円はかかります。

さらに遠くから空き家の掃除など管理に来ようとすると、
その分の交通費がかかってしまいます。

いつかは売りたいと考えていても、
費用が想像以上にかかり、かえって赤字になってしまう可能があるのです。

自分では使いようがない空き家ですが、
空き家を処分せずに放置したままだと、
将来また自分の子どもが同じ状態になってしまうだけです。

空き家を相続してから、いろんなことを始めるのはとても大変です。

そのため、
実家の将来のことは、できるだけ早く考えておく必要があります!

空き家による地域への悪影響

ところで空家が発生すると、
地域にどんな影響があるのでしょうか?

空き家が地域に与える悪影響は主に以下のものがあります。

空き家が地域に与える悪影響
  • ゴキブリなどの害虫やネズミが大量に発生する
  • 庭が草木でボーボーに埋め尽くされる
  • ゴミが不法投棄され溜まっていく可能性がある
  • 火事になると隣の家まで燃え広がってしまう
  • 地震、大雪、台風などで倒壊する危険がある
  • 犯罪の温床になる場合がある
  • 地域の景観が悪くなる

このように、空き家が発生すると、地域にいろんな問題がでてきます。
しかも、所有者以外の人間が、
その空き家に対して簡単に手を入れることができません。

少し想像してみてください。
あなたが住んでいる地域が空家だらけになってしまったら・・・
子どもたちが通学路として、空き家の横の道を通っていた時に、
その空き家が崩れてしまったら・・・

実はこのような空き家問題は、
2030~40年に一気に発生すると言われています。

このままの問題を先延ばしにしていると、
空き家だけの問題だけでなく、
スーパーが撤退したり、
バスや電車の公共交通機関が無くなったり、
小学校が無くなるなど、
地域にとても大きな影響を与える可能性があります。

「空き家問題が、まち全体の問題になる」
今はその目前にあるのです。

そういう状況になってしまうと、
当然ながらそのまちはとても住みづらいものとなります。

そして、
ますます地域の人口減少が進んでいくため、
まちは空家だらけになって、
最終的にはゴーストタウン化してしまいます。

だからこそ手遅れになる前に、
今のうちから対策を取っていく必要があるのです。

どうしてこんなにも空き家が増え続けるのか?

なぜ今、空き家が増え続けているのでしょうか?

それを理解するヒントとなるのが「住宅すごろく」です。

「住宅すごろく」とは、
高度経済成長期の日本での住み替えのモデルを表しており、
若い時には「賃貸アパート」
結婚などを期に「マンション・団地」に住み、
最終的には「戸建て」を買って‟あがり”になります。

今から約50年前の高度経済成長期という、人口が増えて行っていた時代に、
住宅が大量に生産され、そして購入されていきました。

この時代に住宅を生産したり消費していた人たちは、
結局、住宅の終わりのことは考えておらず、
ましてや日本の人口が減ることすら想像していなかった、と言えます。

そのため、日本のいたるところで、住宅地が開発され、
次々に住宅が建てられていきました。

しかし、その夢のマイホーム(一戸建て)は、
いまや次々と空き家になっているのです。

これは「住宅すごろくの‟あがり”の後が今スタートしている」ということです。

日本では本来、
代々の家や土地を2世代、3世代と受け継いでいました。

しかし、戦後の高度経済成長期を経て、
日本では核家族化が急速に進んでいきました。

そして、
地方から都市部へ働きに出た人たちが新たな地で住宅を購入し、
相続するときにはすでに子どもも家を持っていることが、
空き家発生の主な原因です。

これは世界的に見てもとても珍しく、
日本は‟空き家の課題先進地”と言っても過言ではありません。

今後、ベッドタウンと言われる都心部の郊外は、
急速に空き家が増えていく可能性が高いです。
さらにその次は、
高度経済成長期にたくさんつくられた計画的な住宅地など、
都心部の外側外側へと空き家が増えていく予想になっています。

郊外や地方都市などの地域では同じような世代が一斉に入居して、
一気に高齢化の波が来ているということで、
世代交代が進まず同時に空き家が大量に発生しているということです。

同じ時期に入っているからこそ、
そこの住民が一気にいなくなってしまったら、
突如としてゴーストタウンになる可能性があるのです。

実は…地域によって大きく違う‟空き家問題”

空き家問題は地域によって、大きくことなります。

ここではそれぞれの地域の空き家問題の特徴を見ていきましょう!

簡単には売れない!‟郊外”や‟地方都市”の空き家

東京、大阪、名古屋などの大都市の郊外にはニュータウンがあります。

ニュータウンは都市部から電車やバスのの乗り継いで、
1~2時間程度の場所にあるのが多く、まさにベットタウンと呼ばれる場所です。

ニュータウンでは高度経済成長期に山肌を削って巨大な住宅団地をつくり、
都市部に通勤する人たちの家族が入居していきました。

当時、ニュータウンはサラリーマンたちにとって憧れのまちであり、
夢のマイホーム、庭付き一戸建てを求めて
多くの人がニュータウンに移り住んできました。

そんな誰もが憧れていた郊外のニュータウンですが、
今、そのほとんどが当時よりも不動産価格が下落しています。
なんと、当時の不動産価格の6分の1なんてところも・・・

高齢化率も上昇し続けており、
60%近くにまでなっているところがあります。

子ども世代はなかなかまちに戻らないため、
放置されている空き家がどんどんと増えています。

郊外のニュータウンは、都市部と比べて、
自然も豊かで子育てするにはいいところですが、
現在は「共働き夫婦が多く、両方が郊外から都市部へ働きに出るとちょっと難しい」
という現状があるのです。

これは郊外のニュータウンだけでなく、
地方都市の住宅地においても、同じような状況であり、
高齢化率の上昇とともに、空き家が増加しています。

このように、一時期に大規模に開発された
郊外や地方都市にある計画的な住宅地のほとんどにおいて、
空き家が増えてきており、
売りたくても売れない状況になっています。

このままでは、このような住宅地は
「オールドタウン」どころか「ゴーストタウン」になりかねないのです。

好立地なのになぜ?急増する‟都市部”の空き家

空き家の増加は郊外や地方だけではありません!

人気住宅地である東京・世田谷区で今、空き家が大量発生。
最寄り駅徒歩3分の好立地であっても放置された空き家が存在しています。

空き家は近年、
人口減少が急激に進んでいる地方の問題だと考えられがちですが、
実は住居がたくさんある都市部において、
今後高齢化が進んでいくことより深刻な問題を引き起こしてしまいます。

世田谷区は住みたいと希望する人が多く、
土地の価格が高い地域です。

それにもかかわらず日本一多い5万戸の空き家があり、
10年後にはさらに2万戸の空き家(賃貸・売却用などを除く)が
生まれるという予測があります。

細い路地が多く、住宅が密集している地域もあるため、
まちの将来に不安を覚えている人は多いといいます。

今、世田谷区が把握している管理不全な空き家は大量にあり、
解決にいたるケースは年間わずか数軒、
一方で空き家になる住宅は増え続け対応が追い付かない状態ということです。

このように、都市部の資産価値が高い場所でさえも、
空き家が増え続けているのです。

どうして空き家問題は解決が難しいのか?

相続された住宅が空き家のまま放置されてしまうのは、
いったいなぜなのでしょうか?

実は多くの人が空き家に関して同じような悩みを抱えています。

空き家を所有している人のよくある悩み

空き家を所有している人の悩みは、例えば以下のようなものです。

空き家の悩み
  • どこに相談してよいかわからず10年たった
  • 実家の空き家をどうするか、家族にも話せていない
  • 面識のない親戚に相続の話をするのが怖くて連絡できない
  • 亡き母の実家への思いが強かったので、手放すことにためらい
  • 子どもたちが将来住むかもしれないので、ひとまず空き家のままに
  • 代々使用していた荷物の処分費用がないので、そのまま物置代わりに
  • 市の空き家バンクに登録しても、いっこうに売れる気配がない
  • 空き家があるのがハザードマップの危険な地域、どこの不動産会社も買ってくれない
  • 自治体に寄付したいと申し出たが、断られた

引き取り先が見つからなかったり、
相談するところがわからなかったり、
とりあえず空き家のままにしてしまったり・・・

解決しようにも何から手を付けていいのかわからない、
というのが多くの人の共通するところなのです。

空き家問題が大変な理由

このように空き家のなっても住宅を手放せなかったり、
使い道が決まらない空き家が全国に350万戸もあると言われています。

これを専門家からは「なんとなく空き家」と言われています。

「なんとなく空き家」が増える理由その① 【相続問題】

実は空き家を手放したくても簡単に手放せないのには、事情があります。

最初のハードルは「相続」の問題です。

いざ空き家を処分しようと思っても、
相続人全員の合意を取り付ける必要があるのです。

例えば実家の所有者が、
一人暮らしの‟祖母”だった場合を考えてみましょう。
祖母が亡くなったとき、
空き家の権利はその子どもたちに移ります。
しかしそのままの権利の状態で、実家を放置していると、
権利が移った子どもたちがいずれ亡くなってしまいます。
そして、所有権はさらに孫たちに移っていき、
権利者がどんどん複雑になっていくのです。

家族の中で「実家の相続」について話し合いをしておかないと、
気が付けば、誰も手が付けられない状態になってしまいます。

「放置すれば放置するほど、権利が複雑になってしまう」
これが空き家問題の特徴です。

権利が複雑になってしまった場合は、
例えば司法書士などを雇い、
遠くに暮らす親族一人ひとりと交渉を行う必要が出てきます。

これは、時間や労力もさることながら、
心理的負担も相当なものとなります。

権利者全員との話し合いが済むのは数年後、というのはざらです。

話し合いが済めばいい方で、
長い時間をかけても折り合いがつかない、なんてことも・・・

結局は、めんどくさくて空き家を放置してしまう
というケースがほとんどなのです。

「なんとなく空き家」が増える理由その② 【家族の思い出】

仮に親戚との話し合いが済んで、
空き家の行く先を自由に決められるようになっても問題がまだあります。

居住者の思い出がその家には残っており、
先祖代々引き継がれてきた家や土地であった場合は、
なおさら家を処分することをためらってしまう方が多いです。

これは、アルバムを捨てられるか、捨てられないか、
という話に近いものがあります。

それ以外にも、
日本の古い家には‟神棚”‟仏壇”を置いてある家がほとんどです。
これらをどう処分していくのか、に頭を悩ませてしまい、
結局処分できずに空き家のまま放置してしまいます。

「お金には代えられないものが詰まった家」
手放すことは簡単ではないのです。

実家を相続すると、相続した側は、
維持したほうがいいのか、売却したほうがいいのか、
悩まされます。

そして、悩んでいる間に、
年々年‟思い入れ“が増していき、
結局手放せずに‟なんとなく空き家”になってしまうのです。

空き家問題の解決方法

各地で空き家の数が増え続けているのは、
空き家の「解決される数」よりも「発生してくる数」の方が圧倒的に多いからです。

これまで見てきたように、空き家問題の解決には、
超えなければならないハードルがいくつもあり、
一筋縄ではいかないものばかりです。

しかし今、空き家問題を解決するための新しい流れや、
画期的な方法が生まれてきており、
大きな期待が寄せられています。

ここではその一部をご紹介しましょう!

地域再生の切り札!地方の空き家でも売れる、‟中古市場”の活性化

今までなかなか売れなかった郊外や地方の空き家ですが、
近年は中古物件が人気になっており、
若い人が購入するケースも増えてきています。

国の調査でも、新築を希望する人は減り続け、
近年は中古住宅でもいいという人が逆転しています。

平成30年住生活基本調査「持ち家への住み替え後の居住形態(現在借家の世帯)」

そのため、空き家の買い取り業者が最近は増えており、
「人口減少に悩む地方の空き家を流通させる」という
新しいビジネスモデルが登場しています。

買取業者は空き家を買い取ったあと、新品同様にリフォームをし、
中古物件として販売するビジネスモデルです。

買取金額は場所や築年数にもよりますが、
例えば400~500万円で買い取った一軒家を、
家財の整理や役所への登記の手続などもサポートし、
水回りなどもすべて綺麗にして1400万円程度で販売したりしています。

リフォームのポイントは、
現代のライフスタイルに合わせた仕様にすることです。
例えば、古い昭和風の間取りの物件を、
広いオープンキッチンのある子育てのしやすい家にします。
また、最近は共働きの夫婦も多いことから、
庭を広い駐車スペースに拡張したりもしています。

実際に市の空き家バンク登録をしても買い手が現れませんでしたが、
空き家の買い取り業者に相談したところ、空き家がすぐに売れた、
という人がたくさんいます。

中古住宅の購入を希望している多くは、
賃貸から持ち家に切り替えたいと考えている若いファミリー層です。

新築の半額ほどの値段でマイホームを持てることが
大きな魅力になっています。

買いたい中古物件の状態が心配な方は、
「インスペクション」という
中古住宅の劣化状況・欠陥の有無、耐震性などの調査を行う制度もあります。

意外な空き家解決法「DIY型賃貸借」

空き家を「売却」がするのが難しい場合は、
空き家を「貸し出す」という選択肢があります。

しかし、空き家を貸し出す場合、
お金をかけてリフォームする必要があります。
また、思い入れのある空き家を好き勝手に使われることに、
抵抗のある方もおられると思います。

そんな場合におススメなのが、「DIY型賃貸借」という仕組みです。

通常のリフォームの場合は、
空き家の持ち主が自らリフォーム費用を負担して、貸し出します。
しかし、DIY型賃貸借ではリフォームを行うのは借り主側です。
借り主型がリフォームの費用を負担し、
持ち主の許可の範囲内で自分好みに改修、
その代わり相場より安い賃料で借りることができる仕組です。

「本当にこんなとこなりる人がいるの?」と思うような古い物件でも、
意外とニーズがあったり、
中古の空き家を自分好みにカスタマイズしたいっていう人が
最近増えているのです。

DIY型賃貸借では、思い出の神棚は残りてもらい、
和の雰囲気を活かしたリフォームする、ということも可能となります。

DIY型賃貸借を実際に行った人は、
「綺麗に維持しながら使っていただけるのはありがたい」
「亡くなった親にも『ちゃんとやったよ』と胸が張れる」
「建物がよみがえって、誰かの役に立てているのは嬉しい」

などの声が聞かれます。

若者を呼び込むことで地域活性化を図る

空き家を使って若い人を呼び込む取り組み
始めている地域もあります。

空き家の見学ツアーを実施すると、
参加者から地元の人では気づかない地域の魅力がいくつも見つかります。

例えば最近出社の頻度が少なくなってきており、
自宅でテレワークをする時間が多い方にとっては、
「自然に囲まれた静かな郊外に引っ越しをしてこよう」
と考えている人がいるのです。

また空き家を大学生向けのシャアハウスにすることなども有効です。
シャアハウスは安い金額で家を借りることができるので、
大学生や若い世代にはとても人気があります。

一軒家であればシェアハウスにするだけの十分な広さがありますし、
マンションなどに比べて、音を出したりしやすいなどの、
自由度が高いのが魅力となっています。

住宅を単なる‟空き家”のまま放置するのではなく、
うまく活用することによって、
地域に若い人を呼び込んだり、
地域に魅力ある場所を増やしたりすることができるのです。

このように考え方によっては、
空き家が「地域の財産」と捉えることもできます。

活用方法としては他にも
コワーキングスペースグループホームなどもあります。

空き家という‟ハコ”が地域にたくさんある中で、
そこにそのようなソフトを入れるか、を考える必要があります。

空き家を「いろんな形でたくさんの人に使ってもらう」という発想が大切です。

空き家が大量に発生するということは、
「地域に住宅がたくさん余っている状態」ということです。

血縁相続というこれまでの固定概念に縛られず、
発想を転換し、
いろんな使い道やニーズを掘り起こしていくことが大事です。

そして、空き家という「財産」を、
次に責任を持ってちゃんと使ってくれる人にバトンタッチさせていきましょう!

国の空き家対策

国も眠っている空き家を何とかしようと動き始めています。

今回はその一部を紹介しましょう!

1.空家等対策推進に関する特別措置法の改正

「空家等対策の推進に関する特別措置法」が2023年6月に改正されました。

「空家等対策の推進に関する特別措置法」の主な改正内容

①自治体と民間の連携
 NPO・企業の活用
(持ち主に寄り添った相談、持ち主の捜索、空き家の管理など)

②自治体の権限の強化
 「管理不全空家」の新設
(危険な状態になる前からの指導・勧告、固定資産税1/6減額の優遇措置の解除)

①自治体と民間の連携

まず、改正された特別措置法では、
空き家問題の解消に向けて、自治体と民間の連携を促しています。

これまで、自治体という公的な機関だけではなかなか
空き家という「個人の財産」に関して、課題は解決できなかった面がありました。

例えば、消費者に相談されても特定の不動産を紹介・斡旋したり、
具体的な解決方法の提示は出来ませんでした。

さらに、自治体の人材不足、という問題もありました。

そこで、空き家対策をする、自治体の専門家と民間が連携することで、
官民の中間のような組織ができることで、
より具体的なアドバイスして消費者の後押しができる、ことが可能になりました。

②自治体の権限の強化

もう一つのポイントが自治体の権限を強化するというもの。

これは、空き家が危険な状態になる前から、
自治体が所有者に指導・勧告できるようにするためのものです。

法律の改正前は
「周りに危険を及ぼすような空き家」にしか指導ができませんでした。
しかし、改正後には
「一部が壊れているような管理不全空き家」にも指導ができるになりました。

空き家がひどい状態になるまで放置してしまうと、
いくら自治体が指導・勧告しても「時すでに遅し」となってしまいます。

そのため、一歩手前の管理不全の段階から、
自治体が関与ができるように法律が改正されました。

2.相続土地国庫帰属制度

「相続土地国庫帰属制度」が2023年4月からスタートしました。

この制度は、空き家を引き取ってもらいたい場合、
10年分の管理費を支払えば、土地を国に納められるというものです。

しかし、国に引き取ってもらう場合は、
以下のような基準をクリアしなければなりません。

基準の例
  1. 家を壊して空き家にする
  2. 土地を測量して隣接地との境界を証明する
  3. 土壌汚染がないか地質調査を行う

これらを自分で行う必要があり、さらに費用が数百万円もします。

そのため、この制度は「現実的ではない」との声が上がっています。

法務省もこの相続土地国庫帰属制度の問題を認識しており、
「今後見直しを進めていく」としています。

いずれにしても、
国が土地を引き取るということは、
使いづらい土地を税金で管理することになるため、
引き取る土地がどんどんと増えれば、
国民の負担はどんどんと膨れ上がってしまいます。

だからこそ、手遅れになる前に、
空き家の有効活用を考える必要があるのです。

海外の空き家対策

最後に海外の事例を紹介しておきましょう!

実は空き家問題は日本に限ったことではありません。
アメリカのあるまちでは、自治体の大胆な取り組みで、
空き家問題に向き合っています。

アメリカ中西部にあるミシガン州フリント市は、
大手自動車メーカーの企業城下町として栄えましたが、
景気の悪化を受けて工場が次々に閉鎖
1960年に約19.7万人いた人口は、
2022年には約7.9万人と半分以下に減り、空き家が急増しました。

工場が撤退してから若者は次々と街から出て行き、
高齢者ばかりとなった街は徐々に衰退し、
その後、空き家で放火が次々に発生し、街は荒れに荒れていました。

買い手のつかない空き家をどうすればいいのか、
市が打ち出したのは従来の対策とは一線を画す、新しい都市計画でした。

空き家の多いエリアを「グリーンイノベーション地区」とし、
住宅があった場所を農地や緑地にしていったのです。

ここには、税金の滞納で差し押さえられた空き家や空き地を管理する、
「ランドバンク」という公的な機関があります。
グリーンイノベーション構想では、このランドバンクが、
国や自治体の予算で空き家を解体し、その土地を住民やNPOに貸し出します。
庭や畑などに活用してもらうことで、治安の悪化を防ぐことにも繋がるのです。

これによって、最悪だった街は、
いまや農作業をする街の人たちで溢れている、といいます。

住宅地を全く別のカタチで活用するこのアイデアは、
どのようにして生まれたのでしょうか?

市が都市計画を立てる中で、
将来、人が一切いなくなることが予測される地域もありました。

そこで、こうした地域を「何か別のカタチで活用できないか」と、
アイデアがある人たちに使ってもらえる場所にしようと考えたのです。

しかし、この新しい都市計画に反対する住民もいました。
自分が住んでいる地域から人が居なくなることを、受け入れられなかったのです。

こうした状況をどう打開するか、
住民を巻き込んだある調査が実施されることになりました。

それは自分たちの地域にある家の老朽度調査です。
雑草の状況、ゴミの有無、家を解体すべきかなどを一つひとつ確認。
住宅の状態を「優良物件」「少し手入れが必要」「かなり手入れが必要」「危険」の4段階で評価し、データベース化します。

この調査の過程で、
住民たちは地域の厳しい現状に向き合うようになりました。

役所や別の町の人ではなく、
住民自らが調査したことで、
自分が住んでいる地域の状況を深く客観的に受け止め、
市の都市計画を理解できるようになったのです。

その後、様々なエリアの住民を集めたワークショップを開催、
調査で得られた情報をもとに、
どこをグリーンイノベーション地区にするのが相応しいか議論を重ねました。

すると都市計画への反対意見は出てこなくなり、
住民合意が一気に進んでいきました。

この市では、「ラウンドバンク」という公的機関があること、
国から補助金が出て解体費を賄うことができたため、
このようなことが実現しました。

しかし、日本でも参考になることは多いと思います。

おわりに・・・

今、空き家問題はどこの地域でも起こります。
そして、空き家によって、地域にいろんな悪影響が及ぼされます。

だからこそ、一人ひとりがこの空き家問題に向き合っていく必要があるのです。

まず空き家は、
所有者が少し頑張れば動かせる段階で対応していかないと、
空き家問題は解決できません。
だからこそ、早い段階で、家族で話し合っておく必要があります。
自宅の所有者から子どもなど相続する人へ、
自宅をどうしてほしいのかを具体的に伝えておくべきなのです。

さらに、空き家はいまや「個人の問題」だけではありません
地域全体で‟まちづくり“として考えていく必要があるのです。

将来、起こりうる現実から目を背けてばかりいると、
起こってほしくないことが実際に起きてしまいます。

将来を見据えて悲しい気持ちになるのではなく、
空き家の大量発生を、
まちの世代交代や新しいまちの魅力をつくっていくチャンス
に捉えることで、空き家問題は解決されていきます。

そのためには、
一人ひとりがまちを変えていく意識が必要になってきます。

本気で地域の未来のために今、動いていく必要があります。

住民の人たちで話し合って、
自分たちの地域をどうしたいのか、
いろいろと考えていくことは、とても楽しいことです。

さあ、一緒に動き出していきましょう!

あなたは、自分が住んでいるまちで本当に「やりたいこと」をできていますか?

↓↓↓やりたいことを実現させる具体的な方法は以下↓↓↓

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