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高齢者に優しいまちとは?まちづくりで目指す誰もが暮らしやすい社会の実現方法へ

高齢者が暮らしやすいのは、どんなまちでしょうか?

超高齢社会を迎えた日本では今、高齢者の数が急増していますが、
日本のまちは世界に比べて、高齢者に優しいつくりにはなっていません

車優先の道路計画、公共交通機関の減少、狭くて歩きづらい歩道、薄暗い街灯、
バリアフリー化の遅れ、買い物難民、高齢者の運転事故、独居老人の社会的孤立・・・

残念ながら、日本のまちには高齢者にとって暮らしにくい、
そういった問題がたくさんあります!

今回は高齢者に優しいまちの作り方を解説していきます!

ちゃぼけん

高齢者に優しいまちは、誰もが暮らしやすいまち。

だからこそ、あらゆるまちが高齢者にとって優しいまちである必要があるのです。

高齢者に優しいまちのつくり方

高齢化が進展している日本において、
高齢者に優しいまちをつくるのは、喫緊の課題です。

そのため、全国各地で高齢者に優しいまちづくりの取り組みが進められています。

その中でも以下の4つのまちづくりの方法が今注目されています。

高齢者に優しい4つのまちづくり
  1. コンパクトシティ
  2. バリアフリー化
  3. ウォーカブル
  4. コミュニティデザイン

詳しく見ていきましょう!

コンパクトシティ

コンパクトシティとは、
「生活機能をコンパクトに集約し、効率化した都市、またはその政策」
のことを言います。

コンパクトシティは、
住まい・交通・公共サービス・商業施設などを集約させることで、
車に頼らずとも、徒歩や自転車、公共交通で移動できるまちを目指します。

コンパクトシティの考え方は、
1980年頃にヨーロッパやアメリカを中心として議論されていました。

近年、日本においても少子高齢化や人口減少が進展したことで、
市街地の「スプロール化」「ドーナツ化現象」が社会問題となったため、
まちのあり方が見直され、コンパクトシティが積極的に議論されるようになりました。

今後、後期高齢者が増加し、
日常生活にさまざな困難を抱える人々が増えれば、
社会インフラの面からの対応も重要になります。

かつての人口成長、経済成長時代に拡大した中心市街地を、
再度、高齢化や人口縮小時代に合わせようとするコンパクト・シティのまちづくりも、
高齢社会に対応した社会インフラの再整備といえるでしょう。

バリアフリー化

2006年にバリアフリー新法が成立し、
従来の建築物、公共交通機関、道路に加え、
路外駐車場や都市公園にも、
バリアフリー化基準の設定が求められるようになりました。

しかし、一般の飲食店や商業施設まで含めると現実はいまだ遠い状況です。

現在でも、高齢者に対応しきれていない施設は数多く存在します。

施設表示や案内などのハード面から人的対応まで含め、
様々な気配りや心配りができるかどうか。

今後の対応の積み重ねが、「高齢者に優しいまち」を形成します。

ウォーカブル

「ウォーカブル(walkable)なまちづくり」とは、
人々が思わず歩きたくなるようなまちをつくることです。

ウォーカブルによって、
「車中心」だったまちを「人中心」の歩きやすいまちへと変え、
まちなかを人々が集い憩い、多様な活動を繰り広げられる場にしていくのです。

ウォーカブルポータルサイト|国土交通省

例えば
高齢者のような、歩行することに多少の困難さを感じている人が
ストレスなく日常生活を送るためには、どのような対応が必要でしょうか?

生活空間や公共空間において段差をなくす配慮を行うのはもちろんのこと、
つまづきやすい床面にしない、
床面に出っ張りや段差があれば注意喚起する、
といったバリアフリーの確保が当然ながら必要でしょう。

また、ストレスなく移動できる環境に加えて、
休める空間座れる場所があることや、
歩きづらい時に気軽に車椅子が利用できる環境なども大切になってきます。

休める空間、座れる場所は、
できれば歩行距離100mに1ヶ所程度で配置されるのが望ましいとされています。

1995年の導入された東京都武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」は、
停留所を約200mおきに設置していますが、
これも高齢者の歩行ストレスを配慮した結果です。

休憩スポットの形状にも配慮が必要です。

座面が低く、クッションの柔らかいソファは確かにくつろげますが、
足腰の弱い高齢者によっては負担の大きいものです。
座面が低いと座る際に足腰への負担が大きくなりますし、
柔らかくて体が沈むソファは立ち上がる際に苦労します。
適度な座面高と適度な硬さ、肘掛けを備えた椅子のほうが、
高齢者にとっては快適なのです。

車椅子の利用については、
日本と海外でその意識に大きな差があるように感じます。

特に米国では、
空港や商業施設、テーマパークなどの移動に困難を伴う大型施設には、
気軽に利用できる車椅子が設置されています。

無理をしないですむ環境が整えば、
高齢者の「歩くこと」や「出かけること」に対するハードルも下がりますから、
今後の高齢社会では重要なポイントになるでしょう。

コミュニティデザイン

近年はひとり暮らしをしている高齢者、いわゆる独居老人が増えています。

高齢者の孤独死やうつ病なども社会問題となっており、
高齢者が社会と断然されていることがその大きな要因となっています。

職場を退職した人は社会との接点が極端に少なくなってしまいます。
その中で近年は地域コミュニティの弱体化も進んでおり、
高齢者がますます孤立してしまう状況になっているのです。

そこで注目されているのが「コミュニティデザイン」というまちづくり手法です。

コミュニティデザインとは、
「コミュニティの力が衰退しつつある社会や地域のなかで、
人と人のつながり方やその仕組みをデザインすること」です。

施設や空間を具体的につくるのではなく、
「かたち」のないソフト面をデザインの対象とすることで、
コミュニティを活性化させることを目指します。

コミュニティデザインを行うことで、
地域の人たちが自分たちの住んでいる地域の課題を解決する力を身に着けることができるようになるのです。

まちづくりで、安心安全なまちの実現へ

まちの高齢社会課題を考えるにあたって、
憂慮すべき点が「高齢者の事故や安全」です。

これには高齢者が被害者となるだけでなく、
図らずも加害者となってしまうケースもあります。

交通事故死者数に占める高齢者(65歳以上)の比率も、
死者数全体の55.7%と半数以上を占めています。

近年、全年齢死者数は減少傾向にあり、
高齢者の占める割合だけが高くなっているという状況です。

「平成30年中の交通事故死者数について」警察庁

住宅火災に占める高齢者の死者数の割合も70.6%(平成30年668人)と、
全体の7割を占めています。

「平成30年(1~12月)における火災の状況」総務省

地震をはじめとする災害発生時に高齢者が弱者となってしまうのと同様に、
安心・安全も高齢社会における課題の一つといえるでしょう。

一方で、「加害者」という視点も忘れてはいけません。
高齢運転者による交通死亡事故は年間約450件発生しています。

交通死亡事故の総数が減少傾向にある中で、高齢運転者の死亡事故率は上昇傾向
特に全交通死亡事故件数に占める75歳以上の運転者の割合は、年々増加しています
(2007年の8.2%から2017年の12.8%、と10年間で5%近く上昇)。

増加原因は明確で、高齢免許保有者数の増加によるものです。

75歳以上の免許保有者数は、現在540万人。
10年前(約257万人)と比べると、なんと2倍以上に増えています。

現在の高齢者の若かりし頃が、
まさに1960年代のマイカーブームであったことも影響しているのでしょう。

この数値は、全運転免許保有者の9%を占めており(65歳以上でみると25%)、
もはや高齢者による運転を「少数派」として無視できるものではありません。

事故原因がはっきりしないものもありますが、
多くは老化にともなう運動・反射神経、認知機能の低下などを原因とするものです。

しかし、高齢者の事故が目立つからといって、
強制的に免許返納を義務付ければよいというものでもないでしょう。

買い物や通院など、自動車が生活に欠かせない状況にある人は多く、
いかにして高齢者の安全運転を可能とするか、
その仕組みや方策を考えなくてはなりません。

高齢ドライバーの中には、長年運転し続けている自負から、
自分の運転技術を過信している人も少なくありません。

動体視力やとっさの反応など、運動能力が落ちているのは明らかなのに、
たとえ軽い事故を起こしても「偶発的な出来事だ」と
正常性バイアスをかけてしまいがちです。

重要なのは、
高齢者が「自身の運転能力がどのレベルにあるのか」をはっきり自覚することです。

将来的には、
ロボットや自動運転などの機能を活用した高齢者運転支援・事故防止技術の開発
も期待されるところです。

また、先に述べた交通事故被害についても、
事故原因は「走行車両の直前直後横断」「横断歩道以外の横断」など、
高齢者自身の交通法令違反を理由とするものも多く、
実は一概に「被害者」といえない側面もあります。

このように高齢期には、
本人自身が被害者になると同時に加害者になるケースも多いのです。

高齢者に優しいまちの実現に向けて

「高齢者にとって優しいまち」とは、
すなわち「誰もが暮らしやすいまち」ということです。

そのためには、まちがコンパクトで、
歩きやすい工夫や歩きたいと思える環境が大切です。

また、安全・安心に暮らせるまちである必要があります。

まちづくりによって、
高齢者を含めあらゆる人たちが快適に、
そして安心して暮らせるまちをつくっていきましょう!

あなたは、自分が住んでいるまちで本当に「やりたいこと」をできていますか?

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