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‟超高齢社会”って何が問題になるの?解決するには私たち一人ひとりの行動が大事に!

日本は、これまで誰も経験したことのない「超高齢社会」に突入し、
それに伴って様々な問題が山積しています。

医療、介護、年金、コミュニティ、買い物難民、特殊詐欺、ゴミ屋敷、空き家、自動車運転事故、就労、貧困・・・

ちゃぼけん

問題を挙げ出すとキリがありません・・・

このまま超高齢社会が進むと、日本のまちはどうなってしまうのでしょうか?
私たちはこのような問題に対してどのように立ち向かっていくべきなのでしょうか?

それでは、一緒に考えていきましょう!

「超高齢社会」とは何か?

高齢化の進行具合を示す言葉として、
「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」という言葉があります。

65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、
14%を超えると「高齢社会」、
21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。

日本はどれに当てはまると思いますか?
少し考えてみてください!

実は・・・現在、日本はすでに「超高齢社会」に突入しているんです!

2022年、日本の人口は1億2,615万人となり65歳以上は3,623万人を超えました。
総人口の割合としては29%となり、
30年後の2050年には約36%が高齢者になると予測されています。

日本は世界一の高齢化率となっており、
その割合はどこの国と比べても圧倒的に多いのです!

高齢化率の世界のトップ3は、
1位日本(28.6%)、2位ドイツ(21.7%)、3位フランス(20.8%)

そのため、日本では今後、
世界の誰も経験していないような問題が次々に発生する可能性があります。

超高齢社会ニッポンの現状

日本では今、未曽有の高齢化が進行しており、
私たちは自らの人生の先行きに大きな不安を抱えています。

最近、よく耳にする「人生100年時代」という言葉に対して、
あなたはどのような思いを抱くでしょうか?

  • 「死ぬまで一生働き続けないといけないなんて嫌だ!」
  • 「老後に隠居生活なんて夢のまた夢」
  • 「いったい何のために、頑張って働いているのかわからない・・・」

そういった複雑な思いを抱くかもしれません!

戦後70余年を経て、日本は世界に冠たる長寿大国になりました。
平均寿命は、男女ともに戦後間もない頃から30年以上も伸びて世界トップクラス。

本来、これは喜ぶべきことですが、
現在の日本は手放しで喜べる状況にありません。
高齢化、長寿化にともなうさまざまな社会課題が浮上しているからです。

日本の人口は2004年をピークに、その後は減少局面に入っています。

2018年現在で1億2422万人の人口は、約30年後には1億人を切り、
2060年には9284万人になると予想されています。
これは毎年平均70万人減り続けるということを意味します。

国立社会保障・人口問題研究所推計

人口減少の一方、高齢化率(65歳以上の人口比率)はさらに上昇します。
2018年時点の高齢化率はすでに28%を超えていますが、
2030年には31.2%、2060年には38.1%になります。

高齢化が進行する理由

高齢化が進んでいく背景には、大きく2つの理由があります。

1つは「医療の発展による寿命の伸び」、もう一つは「出生数の減少」です。

「医療の発展による寿命の伸び」は喜ぶべきことですが、
問題なのは「出生数の減少」のほうです。

2022年の人口動態統計(厚労省)で、合計特殊出生率は過去最低に並ぶ1.26
出生数は77万人と、統計開始以来初めて80万人を割り込みました。

出生数は年々減少し、
さらに高齢化により死亡数が年々増加しているため、
2007年以降は日本の人口が自然増から自然減に転じています。

超高齢社会になるとどうなるの?

超高齢社会に突入している日本、
これからどんな問題が待ち受けているのでしょうか?

高齢化によって深刻化する問題

高齢社会における各種課題の特徴を整理しておきたいと思います。

高齢者の増加により、今後どのようなことが起こると考えられるでしょうか?

特に深刻だと考えられている問題は、主に以下の7つです。

高齢化によって深刻化する問題
  1. 医療・福祉業界の人材不足
  2. 社会保障制度の財政不足
  3. 労働力減少による経済活動の鈍化
  4. 高齢者のQOLの低下
  5. 孤立による孤独死や認知症の進行
  6. 高齢者の経済格差
  7. 買い物難民の発生

①医療・福祉業界の人材不足

高齢者が増加することによって深刻な事態になることとして、
まず医師や看護師などの医療従事者の人材不足
そして介護などの福祉関係の人材不足が挙げられます。

医療・福祉業界では他の業界と比べて人手が不足しており、
以前から人材不足が問題となっていました。

高齢化が進行していくにつれ、その問題は深刻化していきます。

そもそも日本は「人口あたりの医師の数」が世界の国々と比較してもかなり少なく、
最も多い国の半分以下の数しかおりません。

このため、将来的には医師不足に陥る病院が閉院することが
相次いで起きると予想されています。

近年でも
「地方にある病院が突然なくなった」
「まち唯一の病院が閉院してしまった」

という話を聞きますが、
今後この問題はどこでも起こり得る話なのです。

また介護職に関しても、
将来的に担い手が圧倒的に不足することが懸念されています。

2017年現在の介護職員数は170万人ですが、
2025年には239~249万人の職員が必要という予測もあります。

介護職については、
「夜勤などもあるきつい仕事」
「給与水準が低い」
といったイメージも強く、
なかなか新たな介護の担い手が養成できていません。

介護職員の不足により、
ベッドに空きがあるにもかかわらず入居の受け入れをストップしている
特別養護老人ホームも多数あるようです(厚生労働省調査)。

②社会保障制度の財政不足

少子高齢化が進行すれば、生産年齢人口が減少していきます。

そうなれば国や地方自治体の税収が減っていき、
社会保障で使える財源はどんどんと足りなくなっていきます。

脳卒中、心臓疾患、悪性腫瘍、関節疾患……
年齢を重ねると否応なしに高年齢由来の疾患罹患率が上昇します。

後期高齢者(75歳以上)に入れば要介護状態となる可能性も高まり、
これらは社会保障費用の増大に直結します。

財源不足が懸念される中、
適切な医療や介護サービスの持続的な供給は本当に可能なのでしょうか?

③労働力減少による経済活動の鈍化

労働力人口の減少に加え、高齢者人口が増加することから、
総人口に占める労働力人口の割合が低下することになります。

また労働力人口の低下による国内市場の縮小によって
投資先としての魅力の低下や、
経済など様々な分野での成長力が低下します。

そのため、超高齢社会となった日本では、
高齢者がいかに快適に働き続けられるかが問題になってきます。

④高齢者のQOLの低下

超高齢社会の日本では、
「ただ長く生きる」ということよりも
「よりよく生きる」という「生活の質」=QOL (Quality Of Life)
が重視されています。

しかし、高齢化の進行によって、高齢者のQOLの減少が懸念されています。

高齢者のQOLが減少してしまう大きな要因の一つとして、
「社会との関わりが薄くなる」ことが挙げられます。

会社を退職して社会との関わりが極端に減ってしまった高齢者は、
人と会う機会が減少し、
さらには生きがい生きる喜びを見失ってしまう方が少なくありません。

そのために、
高齢者が人と関われたり社会参加できる場が地域でとても重要になってきます。

外出をせず家に閉じこもってばかりいると、
体が弱くなっていき健康を害したり、
認知症が進行したり、うつ状態になったりするのです。

⑤孤立による孤独死や認知症の進行

日本では高齢化による独居老人が増えたことで、
自宅でひとりで亡くなっていく孤独死が増えています

なかには死亡してから誰にも気づかれず数日間放置されてしまう
孤独死も多く発生しており、社会問題化しています。

なんと東京23区内だけでも
毎年3,000人以上の独居老人が自宅で亡くなっているのです。

すでに表面化しつつある認知症への対策も喫緊の課題です。

現在、約500万人と推計される認知症患者は、
2030年には800万人、2050年には最大1000万人を超えるともいわれています。

「平成29年高齢社会白書」内閣府

認知症を原因とする行方不明の増加、
道路逆走による事故の多発なども社会問題化しています。

また、今後は単身高齢者の増加も確実で、
彼らが地域コミュニティ内で孤立・独立を深める可能性も懸念されます。

社会的な絆(地域コミュニティ・ネットワーク)を再び築いて、
自立しながら尊厳のある生活を可能にするためにも、
社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)の再構築は重大なテーマです。

⑥高齢者の経済格差

一般的に高齢になるほど経済格差が拡大していきます。

高齢者の多くは収入のある仕事をしていないため、
高齢者の所得は他の世帯の平均に比べて低いのが現状で、
一人暮らしの高齢者の約8割が年金だけで暮らしています。

高齢期の貧困問題が近年深刻で、
生活保護を受けているのは「高齢者世帯」が他の世帯と比べても突出しており、
その数はここ20年近くで2.5~3倍程度になっています。

貯蓄がない高齢者も3~4割程度おり、
高齢者の経済格差は今後ますます大きな問題となってきます。

⑦買い物難民の発生

買い物難民の支援も同じく大切なテーマです。

近隣に食料品店がなく、
生鮮食品などの食料の入手が困難になる「フードデザート問題」について、
全国の8割以上の市町村が「何らかの対策が必要」と考えています。

『「食品アクセス」に関する全国市町村アンケート調査結果』農林水産省

この問題は過疎地域や限界集落に限らず、
経営に行き詰ったスーパーの撤退、
地域を支えていた小規模ストアの廃業などにより、
都市部でも表面化しています。

この他にも、
振り込め詐欺などの特殊詐欺、ゴミ屋敷問題、死者増加による空き家問題、高齢者による自動車事故……など、
高齢化に伴う課題は快挙に暇がありません。

日本の高齢社会課題は山積状態なのです。

地域コミュニティの希薄化が、高齢社会問題に拍車をかける

高齢期になると、否応なく
身体機能、視覚や聴覚などの感覚機能、認知機能などに加齢変化が生じます。

変化が生じる時期に個人差はあっても、必ず誰にでも訪れるものです。

そのような「個人の加齢に起因する困難」が、
ひいては「日常生活面における困難」「社会行動面における困難」を引き起こします。

さらには、特殊詐欺や認知症を起因とする各種事故など、
「社会問題事象」に繋がる可能性もあります。

これらが社会問題化する理由の第一は、高齢者数の絶対的増加です。

加えて、社会構造の変化や地域構造の変化がそれを後押しします。

かつての多世代家族から核家族、さらに単身世帯化が進み、
家族や親族内でお互いに支え合う構図は薄れました。

人口減少や過疎化の進展が、
地域コミュニティの希薄化に拍車を掛けます。

こうして個人レベルの困りごとが、
結果として複雑で解決困難な高齢社会問題となってしまうのです。

2025年問題と2040年問題

これからの高齢社会を考える上で、
重要なポイントのひとつは「後期高齢者人口(75歳以上)の増加」です。

後期高齢者人口は2018年には前期高齢者数(65~70歳)を上回り、
その後は2054年まで一貫して増加します。

2050年時点での後期高齢者人口は、
前期高齢者の1.7倍に達すると予想されています。

後期高齢期には身体機能や認知機能の変化が進み、
要介護率も高まります。

その人口の増加で、日本の高齢社会課題は大きく炙り出されるでしょう。

すでに象徴的なキーワードとして登場しているのが「2025年問題」です。

2025年、日本の人口ボリューム層である1947~1949年生まれの団塊世代が
後期高齢期に達すると、医療・介護費が大きく上昇します。

現在、社会保障費用はすでに120兆円を超えていますが、
2025年には150兆円を超すという予測もあります。

加えて近年は「2040年問題」も唱えられています。
2040年は団塊ジュニア世代が高齢期に達する年を指し、
その時点での高齢化率は36%、日本人の3人に1人以上が65歳以上となるのです。

高齢化課題は大都市の方が深刻

2025年以降、大幅に増加する医療・介護ニーズに対して、
適切なサービスは用意されているでしょうか?

その懸念は、
とりわけ東京、大阪、名古屋などの人口が集中する大都市ほど深刻です。

増田寛也編著『東京消滅-介護破綻と地方移住』(中公新書)では、
「東京圏には施設が不足しており、将来、介護施設を奪い合う事態になりかねない」と警鐘を鳴らし、その解決アイデアとして「地方移住」を提唱しています。

しかし、残念ながら実際にはシニアの地方回帰は近年減少傾向にあります。

大都市に集中している団塊世代は、
このままそこに住み続ける可能性が高いのです。

これまで、
高齢化に伴う課題といえば地方や過疎地に発生していましたが、
今後は大都市及び大都市周辺地域で様々な問題が浮上してくるのです。

超高齢社会の解決方法

超高齢社会を迎え、様々な困難が襲い掛かることが予想される日本において、
どのような解決方法があるのでしょうか?

超高齢社会の目指すべきカタチ

超高齢社会には多くの困難が私たちの前に現れます。

さらにそれは誰も経験がしたことのないもので、
簡単に解決できるものではないでしょう。

そんな中、高齢化社会に対応できるようにするために、
以下のような社会を目指していく必要があります。

超高齢社会の目指すべきカタチ
  1. 年齢による画一化を見直し、全ての年代の人々が希望に応じて意欲・能力をいかして活躍できるエイジレス社会を目指す。
  2. 地域における生活基盤を整備し、人生のどの段階でも高齢期の暮らしを具体的に描ける地域コミュニティを作る。
  3. 技術革新の成果が可能にする新しい高齢社会対策を志向する。

超高齢社会の次に現れるのは「多死社会」だと言われています。
日本の国が「多死社会」とならないよう、
今から私たち一人ひとりができる対策をしていく必要があるのです。

高齢社会の課題には皆が総掛かりで立ち向かう必要がある

政府の政策でも、
高齢化にもとなう社会課題の解決に向けた取り組みに着手しています。

例えば「政府基本方針」(平成30年)でも、
「少子高齢化に真正面から立ち向かい、誰にでも、何度でもチャンスがあり、多様性に満ちあふれた、女性活躍、1億総活躍の社会を創り上げる」
という方針決定がなされています。

そして超高齢社会の対策として、
地域で高齢者を支援する「地域包括ケアシステム」に着目しています。

しかし残念ながら、
政府や官公庁で立案された政策がすぐに効果を発揮すると考える人は少ないでしょう。

高齢化にともなう社会課題は極めて根深く、多岐に渡ります。
解決への道はとても厳しいというのが現実です。

社会課題に立ち向かうためには「誰が」というより、
官民一体で知恵を絞り出す必要があります。

いわば、国民一人一人が自分ごととして、総掛かりで取り組みべきテーマなのです。

わが国では自治体が支援事業を行うなど努力しているが、
自治体に押し付けるだけでは根本的な解決はできません。

あらゆる人が、あらゆる面から知恵を出し、
多死社会を支える仕組みを構築すべきなのです。

課題解決に向けて必要なのは、
多くの人々の知恵やアイデアによる解決手段の立案・実行です。

多くのステークホルダーがアイデアを実践につなげ、トライ&エラーを重ねていく。
これにより、初めて実践的な課題解決プランが実現します。

新しいビジネスチャンスと考えてみる

今まで、高齢化に伴う課題解決を担ってきたのは、
国や自治体などの行政機関に加えて、
社会福祉協議会、社会福祉法人、NPO、ボランティアなどの中間組織が中心でした。

しかし現代では、
積極的に社会課題に向けてチャレンジしようとする
民間企業やベンチャー企業も増えています。

もちろん、行政による支援は重要ですが、
その財源は主に税や社会保障であり、それにはおのずと限界があります

むしろ、社会課題をビジネスチャンスと捉え、
このジャンルに積極的に参入していく
企業のイノベーション・マインドが期待されます。

企業の参入動機は多種多様です。
個人的な動機や思い入れから取り組み始めた事業もあれば、
純粋にビジネスチャンスと捉えて挑戦しているケースもあります。

また、近年はSDGs(持続可能な開発目標)を導入しようとする企業が増えており、
そうした視点から事業に取り組む動きも増えていくでしょう。

動機はともあれ、社会課題の解決には新しい知恵と工夫が必要です。

イノベーション・マインドを持つ人々の輪を広げることで、
迫り来る高齢社会の課題解決に立ち向かうことができるのです。

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