若者たちは今、何に価値を感じているのでしょうか?
そう聞かれてあなたは答えることができますか?
モノが溢れている時代に、若者たちが追い求めているのは、人間らしい小さな暮らしの中にある、本当の「幸せ」と「豊かさ」なのです。
そこに地域活性化や地方創生の大きなヒントが隠されています!
今回はそんなことを解説していきます。
・若い人たちが何を考えているのかを知りたい方
・将来に不安や悩みがある方
・地方での暮らしに憧れている方
・地域に若者の移住を望んでいる方 など
目次
本当の「暮らしの豊かさ」を求める動き
日本は1950年代半ばから1970年代半ばにかけて、約20年間におよぶ「高度経済成長」を続けてきました。
それによって、モノは豊かになり、お金であらわされる所得は増えました。
しかしそれによるたくさんの代償も!
空気や水、土が汚され、人々の健康が損なうほど公害が深刻化するなど、否定的な現象もたくさん出てきたのです。
そんな中、人々の「生活の質」は本当に高まったのか、という疑問が広がり始めました!
そして、日本の高度経済成長期が終わりを迎えた1970年代以降、お金やモノだけでは表せない「暮らしの豊かさ」を再評価しようという動きが全国各地に広まりました。
今の若者たちを取り巻く状況
1990年代は、バブル経済が崩壊し、不況が続いたため「失われた10年」とも呼ばれています。
そんな不況の中で生まれ、育ってきたのが、「ミレニアム世代」以降の若者たちです。
彼らのほとんどは、経済的に豊かであった日本の姿を知りません。
それどころか、今後の日本経済が成長することを期待する人はあまり多くはないでしょう。
日本社会で今、人口減少や少子高齢化が急速に進んでいく中、この先大きな経済成長が実現する可能性は極めて低いと考えられます。
そして得られる賃金が低下していく中、若者への経済的負担はどんどんと増していきています。
今までのように「経済成長=幸せ」と考えている人にとってはそれは不幸なことかもしれません。
しかし、若者たちの多くは、この厳しい時代の中で、お金やモノにとらわれない、本当に「幸せ」や「豊かさ」を模索し始めています。
そして、そんな若者たちによって、今、日本での「働き方」や「暮らし方」が大きく変わろうとしているのです。
サラリーマンは「本当に幸せなのか」という疑問
バブル崩壊後、日本社会には非常に大きな変化がありました。
「働き方」でいえば、
大学を卒業してそこそこの企業に入社すれば、だんだんと給料があがり、ある程度の生活が保障されるという、従来のイメージが崩れ去りました。
そのような「安定した正社員」の雇用は減って、代わりに派遣やパートなどの非正規労働が増加しました。
頑張って正社員になっても、長時間・過密労働が待っていることがしばしばで、仕事のストレスによるうつ病や過労死などが若い世代に広がっています。
正社員の数が絞り込まれていますから、課せられる責任はこれまでとは比べ物にならないくらい大きくなっているのです。
このような正社員の働き方は、地域のつきあいや育児など、家事労働全般との両立を非常に困難にしており、女性などの非正規労働者を増やす原因にもなっています。
勤め先の「会社」を中心に生活や人生が回っていく。
そうした働き方は「会社人間」などと批判されるようになりました。
正社員の数は年々減少していますが、それでもなお、日本中でサラリーマンが9割近くを占めています。
そして彼らの多くは、大学在学中に当たり前のように就職活動を行い、当たり前のように企業へ就職していった者たちです。
「安定」と「夢」を追いかけてサラリーマンになり、毎日満員電車に揺られながら通勤をし、朝から晩まで必死になって働き続ける。
今までであれば、そのような生活を40年近く続けていれば、問題なく出世していき給料が右肩上がりになっていました。
しかし、今は違います。
必死に働いても給料が上がる保障はどこにもなく、ましてや勤めている会社がいつ潰れるかわからない不安定な社会となっています。
終身雇用制度が崩壊しつつある今、多くの若者たちは「サラリーマンになって、本当に幸せな生活は手に入るのか?」と疑問を持つようになったのです。
今、若者が求められる「新しいライフスタイル」とは?
これに対して、「会社」中心ではなく、身近な「地域」のなかで生きていこうとする人たちが増えています。
これまでは、会社でつくられる人間関係がその人の交流範囲をほとんど決めているということが多くありました。
しかし最近では、会社などの所属組織や肩書を取り払って、個人同士のつながりが重視されるようになっています。
そのようなつながりをインターネットなどに求める場合もあるでしょうが、地域の中にそうしたつながりを求めている人が増えているのです。
若い人たちのあいだで、「会社」に代表される既存の組織の重要性が薄れ、それとは対照的に「地域」を志向する動きが強まっていることは、こうした背景があるからです。
地方で「自然と共に生きる」という選択
日本の地方都市は、今やどこも人口減少と少子高齢化に悩まされています。
一方で、経済成長から相対的に取り残された地域には、美しい自然やまちなみ、地域コミュニティなどが比較的よく残っています。
そういう状況の中、今若者たちを中心に「ローカル志向」や「田園回帰」といったものがトレンドになっています。
それは地方の魅力を現代的に再評価し、仕事や生活の中に活かそうとする思いの表れなのです。
「ローカル志向」とは、特に若い人たちのあいだで、企業などの組織よりも地域社会とのつながりを重視した生き方を模索する傾向が強まっていることをさします。
また、「田園回帰」は、IターンやUターンによる都市から農村への移住の動きであり、これは「ローカル志向」と大きく重なっています。
農林水産省は、この潮流に注目し、「都市に住む若者を中心に、農村への関心を高め新たな生活スタイルを求めて都市と農村を人々が行き交う『田園回帰』の動きや、定年退職を契機とした農村への定住志向が見られるようになってきています」と述べています。
また内閣府の調査によると、地方の移住を望む人の割合は徐々に増えており、その傾向はとくに20~40歳代で強まっています。
実際の移住者数も年々増加しており、都市部から地方へ移住すると、地域づくりをサポートする人材を派遣する「地域おこし協力隊」などの施策は、こうした移住の流れを後押ししています。
都会の働き方に見切りをつけ、地方に移住する若い世代たちが少しずつ増えているのです。
とある調査では、「地域」を志向する人たちはとりわけ「人との繋がり」や「仕事のやりがい」を重視していることが分かっています。
それは、お金やモノだけでは表せない「本当の暮らしの豊かさ」を実現するため、地域と積極的にかかわり、そこであらたなチャレンジをしていこうとする生き方なのです!
「地域と関わる」新しいライフスタイルが今、切実に求められています。
このように「地域と関わる」という意味は、仕事も生活も含め、暮らしのいろいろな側面が身近な地域と深く関係していることだと言えます。
そしてその関係性が、「暮らしの豊かさ」につながっていきます。
これは、仕事と生活の空間が分離してしまった現代の標準的なライフスタイルとは対照的です。
「ローカル志向」「田園志向」の潮流の新しさは、ここにあるでしょう。
どうして今、多くの若者たちが地方に集まるのか?
地方に移住する若者が増えているのはどうしてでしょうか。
その理由は大きく3つあると考えられます。
- 何にもないから、何でもできる
- 好きなときに好きなことをできる自由がある
- 小さな幸せを共有できる喜びがある
ひとつずつ見ていきましょう!
①何にもないから、何でもできる
昔から地方に住んでいる人は「うちには何にもない」とよく言いますが、
都会に住む若者にとっては、この「何にもない」がとっても魅力的なのです!
モノが溢れていてお金を払えば何でも手に入る「都会」とは違い、「田舎」には商業施設はおろか、コンビニやスーパーマーケットでさえ身近にないところがほとんどだろう。
しかし、今どきの若い人たちはそんなことはあまりに気しません!
なぜなら欲しいものは大概、インターネットを介して購入することができるからです。
それよりもお金を払っても手にすることができない、美しい自然やのどかな風景、温かい人間関係に魅了され心惹かれるのです。
そして地方へ移住する若者の多くは「自分の手で何かを生み出す」ことに喜びを感じる人が多いのも特徴です。
- 古民家をDIYでリノベーションする
- 家具を自分でつくる
- 自家菜園で農業をする
- 木工や革製品などのハンドメイド
- 味噌や漬物、果実酒を手作りする など
まさに「丁寧な暮らし」を行っています。
これは何も節約のためだけに行っているわけではありません。
このようなクリエイティブな若者たちにとって、「何もない」ことで創作意欲が掻き立てられるのです。
それは真っ白なキャンバスに一つずつ丁寧に色を付けていくような暮らし方かもしれません。
②好きなときに好きなことができる自由がある
地方や田舎には、都会とは違い「空間」と「時間」にゆとりがあります。
時間に追われる忙しい都会の生活ではできなかったことができるようになります。
ゆとりができる一番の理由は、住宅や家賃が安いことが挙げられるでしょう。
地方は急激な人口減少により空き家が大量に発生など、住宅が余っている状況にあります。
そのため、広くて立派な家であっても、300~500万円くらいあれば購入できてしまいます。中には100万円を下回る物件もあるほどです。
賃貸であっても3~5万円くらいあれば充分です。
家庭菜園で野菜などを育てていれば食費もそれほどかかりません。
食費や通信費などを入れても、月に10万円もあれば充分に生活ができてしまいます。
一方、東京であったらたとえ一人暮らしだとしても、月に最低20万円は必要になるでしょう。
稼ぐお金が10万円で済むならば、月の半分くらいは好きなことをして過ごすことができます。
近くの海や川で釣りをしてもよし、自宅を改装してもよし、家庭菜園をしてもよしです。
地方で月10万円を稼ぐ能力があれば、地方や田舎で、好きなときに好きなことができる自由な生活を送ることができるのです。
③小さな幸せを共有できる喜びがある
移住先に自分と同じような若い移住者がいれば、同じ価値観を持った友人になり得ます。
それは、地方での「小さいけれど丁寧で豊かな暮らし」の中で感じられる喜びを、共感しあえる仲間です。
彼らと一緒に、近所の山や海、湖などに遊びに行ったり、自宅で採れた野菜などをおすそ分けしたり、ご近隣を呼んで庭でバーベキューをしたり、そのような生活を送ることができるのです。
今の若い人たちは共感をとても大切にしています。
同じ価値観を持った仲間と暮らしていけることは、彼らにとってとても幸せな時間を与えてくれるのです。
若者も「地方」を欲している
人口減少や少子高齢化が著しい「地方」にとって、若者の存在はとても貴重です。
田舎で過ごしてきた子どもたちは、進学や就職を機に、東京をはじめとした都会に出ていったきり、故郷には戻って来ず、人口流出に歯止めがかからない状況になっています。
そんな中、「自然豊かな地方で暮らしたい」「故郷に帰って生活をしたい」と思っている若者が大勢いることも分かっています。
しかし、未だに多くの人が行っている、サラリーマンとして会社の通勤しながら働くという既存のライフスタイルが変わらない限りは、今のような状況を続いていくことでしょう。
一方、そのような状況の中でも、地方に移住し自分たちの「理想の暮らし」を追求しようとしている若者もたくさんいるのです。
彼らのような若者を受け入れる地方と社会が今、求められているのです!
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